2019/08/28 21:38
本日もブログにご訪問くださり、
ありがとうございます。
アトリエ陶喜の辻本喜代美です。
通常なら毎週水曜日を目明日に
このブログを更新しているのですが、
今回は夏休みの旅に出ておりました。
昨夜、帰宅しての本日更新のブログです。
今日はちょっと
不思議なことも書いちゃうかもしれません。
ふと思いたって
この夏は
十和田・奥入瀬・陸奥の浅虫を訪れました。
「その場所に呼ばれる」
皆さんも、そんな感覚になったことはありませんか?
私には、ときどきですが
そういう場所があります。
そういう場所には大抵、
*ふと思い、訪れる。
*全く予期せぬところから
訪れるきっかけがやってくる。
*何かの拍子にその場所を知り、
行きたくてたまらなくなる。
そんなきっかけで訪れることになる場合、
大抵、訪れる数年前から
無意識の伏線が張られているかのように
キーワードがちりばめられてきます。
まるでロールプレイングゲームのように
自分の中の何かに気づく、
目に見えないアイテムを集める旅となります。
十和田・奥入瀬
そういう場所でした。
初日
奥入瀬渓流。
あいにくの小雨模様でした。
でも、それが好して人がまばら。
要所要所に車を止め
雨でしっとりした緑と清流を
じっと見つめてみる。
苔生した岩々。
倒木の橋の上。
小さな何かの気配を
ふわっ
ふわっ
と感じるのです。
妖精?
二日目。
十和田湖内で一番美しいとされる場所
イトムカの入り江
アイヌ語で「光り輝く水」
この入り江の口に
ボートが差し掛かった時、
思わず涙が溢れ出てしまいました。
入り江を囲む木立。
小さくて優美な
森の住人たちが
たくさん集い、
キラキラ輝く葉っぱの上に
ふわふわと微笑みながら
こちらを見ているような
イメージが私を包んだからでした。
ああ、
この感覚。
私は陶で形ある作品を作りますが、
一番表現したいことは、
モチーフとなるその対象よりも
それを取り巻く空気感。
それを取り巻く風景。
これを感じ、観たい!
それが私の気持ちであることを
十和田と奥入瀬の清流と森が
気付かせてくれました。
「それに気づいたなら、
ここにも行ってごらん〜。」
そう言われたか
言われないかはわかりません。
その夜、
宿の温泉に飾られていた
一枚の大きな絵
そこには土偶の絵とともに
「五千年
悠久の時を経て蘇る
三内。
縄文の風。」
というメッセージが
寄せられていました。
この言葉が妙に気になり、
本当は予定してなかったのですが
翌日、三内丸山遺跡に向かいました。
私、子供の頃から
好きだったよね。
遺跡
文様
古代
神話
神秘
伝説
美しい。
縄文人は不要になったら
新しいものに交換する文化だったそうです。
用だけの必要だったら
不要だったこの文様。
これはもう
誰に教わったり
誰の評価も気にせず、
「作る本人が楽しむ」
きっと縄文人にとって
モノ作りの基本的なポリシーは
個人の感覚の「快」
だったのかもしれない。
そんなことを思いながら
展示を見終わる頃
「そうだよ〜。」
「自由なスタイルでいいんだよ〜。」
彼らにそう言われた気持ちになりました。
どちらかというと
若い頃からタイトにタイトにすることで
作品を作る原動力を保っていた私ですが、
年齢なのでしょうか?
もっと緩やかなエネルギーで
これからは進めていきたいと
感じています。
またちょっと
私の作品や活動の中に
違った一面が現れるかもしれません。
それも良しと受け入れて
縄文人のような
「快」ある空気を
表していきたいです。
今年の夏の旅
自然と歴史が
私にくれたギフトでした。
今回のブログを読んでくださり
ありがとうございました。
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