2019/05/01 10:01

本日もブログにご訪問くださり、
ありがとうございます。
アトリエ陶喜の辻本喜代美です。


令和元年としての元日5月1日
チーム昭和生まれの私は、
これで3つ目の時代を
体験することとなりました。

平成の30年間。
母校・女子美術大学に入学して、
そして卒業してから昨日まで、
一度も絶えることなく
ずっと陶芸に携わってこれた奇跡。
つまり私にとって

平成=青春時代=陶芸

陶芸三昧でいられたわけです。
ホント奇跡!!

走ることしか考えてなかった若い頃は
(お恥ずかしながら、わりと近年まで)
当たり前で思っていたこの事実を
ここ最近は奇跡としか思えず、
ただただ感謝の思いでいる私です。

今回のブログでは
この新たな時代の始まりの日に
過ぎた平成を自身の作品で
振り返ってみました。


平成17年(2005年)ころ
もともと器を作っていた私は、
あるギャラリストさんとの出会いをきっかけに
オブジェ作品に転向していきました。

物語を感じることをコンセプトにした
作品のスタートです。

その最初に降りてきたモチーフが
「ブレーメンの音楽隊」
以後、平成25年(2013年)まで
節目ごとに、このテーマでライフワークのように
4部作を作る事になります。


動物をモチーフとした作品作りは
とても楽しい時間でした。
しかしある時、転機が訪れます。


自分でも何か次の展開のきっかけを
求めていた時だったのでしょう。
当時交友いただいていた
先輩作家方々の一人で、
とある大先輩作家さんの一言が
グサッと刺さって立ち上がれないほど
ショックを受けたのです。

それがコレ↓

『イイ感じなんだけど、
いつまでもメルヘンやってる場合じゃ
ないんじゃない?』


その方はもう、
私にそんなことを言ったこと自体
忘れてしまっているでしょう。
ただ、物語を表現する上で
動物をチョイスすることが、
自分にとって
スイーツばかりを食べているように
感じ始めていた私は
迷走しながらも
少しずつ模索し始めました。

ある意味この時期が
一番苦しかったかもしれません。


そんな中、
私の周りに「天使」というキーワードが
不思議と集まり始めていました。

最初は音楽だったかな。
それから生徒さんの一人が教えてくれた
オーラソーマ。本、映画、いろいろ。


「そうだ!大天使を作ろう!」


いくつかの天使作品の遍歴を経ながら
完成したのがこのスタイルでした。
(平成23年/2011年)

そして気づいたことは、

「天使を作っていて
特にこの顔の表情を作っている時、
一番癒されるのは
自分だったということ。」


当時の私は、このことを
ボヤ〜っとしか感じてませんでしたが、
動物モチーフを作っている時の自分とは
明らかに異なる気持ちがありました。


ただ、当時の私はまだ未熟で
この

「作ることで自分が癒された」

という感覚を
素直に受け入れられなかったのです、
自分の心が感じることよりも
頭で組み立てていくこと。
例えば技法とか制作数とか、
展示会の回数とか。
そういう事にまだまだとらわれていました。

一度、癒された感覚があるのに
頭で組み立てていることが多くなると
そういう心の感覚を忘れていくものです。


そこから暫くの間
天使を作ることとは
疎遠になりました。


時は流れ....


一昨年
平成29年(2017年)
不思議な事に再び私の周りに
「天使」のキーワードが
集まり始めました。

それは制作依頼だったり、
それがテーマの作品展のオファーだったり、
そして自らの入院と手術だったり。


偶然にも入院した病院は
ミッション系の病院で
院内には礼拝堂がありました。
術後のリハビリで
入院中は毎礼拝堂が毎日の
散歩コースになりました。
退院の朝は偶然にも神父さんとシスターたちが
院内をお祈りして巡回する日に当たり、
クリスチャンではない私ですが


ああ、これはもう
天使を作っていきなさい。
と、何かに言われている感じがする。


そう思わざるえなくなりました。


そして退院後に出来たスタイルが
これです↓

6年ぶりに手掛けた天使の作品で
一つの確信がありました。

それが、

「作ることで自分が癒されている」感覚

ああ、私こういうもの作りたいんだな。
こういう作品をライフワークにしたいんだな。

そう思いました。


私はクリスチャンではありません。
たまたま縁あって、
ずっと繋がっていったモチーフ
それがたまたま「天使」だったということです。

ではなぜ、
ライフワークにしていこうとまで
思ったのか。

深く思い巡らすと、

心に寄り添うような
清らかな眼差しのものを、
癒されるような作品を作っていきたい。

ということだと、
それがたまたま私にとって
「天使」という形にしていくことが
表現しやすかったのでしょう。


今日から始まった

令和

外務省が海外メディアに対して
発表した意味は

beautiful harmony
美しき調和

これからの私のライフワークとなる作品たち。

心に寄り添うきよらかなものたちを、
癒しの微笑みあるものたちを
美しき調和ある気持ちで
手掛けていきたいと思うのです。


今回のブログをご一緒に楽しんでくださり、
ありがとうございました。


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